男子100メートルバタフライ(S11)で優勝した木村敬一=吉田耕一郎撮影
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 パラ競泳のジャパンパラ大会は5日、最終日が横浜国際プールであり、パリ・パラリンピックに出場が内定している日本代表選手たちが出場し、本番に向けた仕上がりを確認した。

 男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)では、東京大会で金メダルの木村敬一(東京ガス)が1分3秒09で優勝した。同じ種目で東京大会銀メダルの富田宇宙(EY Japan)は2位だった。

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 他の内定選手では、女子50メートル自由形(視覚障害S12)で辻内彩野(三菱商事)が27秒99を出してアジア記録を更新。男子100メートルバタフライ(運動機能障害S10)の南井瑛翔(近大)も、59秒30でアジア新記録を塗り替えた。

木村は前半に手応え、後半に課題

 木村にとって、収穫と課題が見えるレースになった。

 前半50メートルの折り返しは、力強い泳ぎを見せて28秒台。3月にあったパリ大会の選考会よりやや早いタイムで、昨年から取り組むフォーム改良の成果が形になりつつあることを感じさせた。

 悔しさをにじませたのは、レース後半を振り返った時だ。「テンポが上がらなかった」。理想は流れるように腕を動かし続ける泳ぎ。だが、この日の後半は腕が止まる場面があったという。

 3年前の東京パラリンピックで富田との競り合いを制し、この種目で自身初の金メダルをつかんだ33歳。日本のパラ競泳界の中心選手として、パリでも期待がかかる存在だ。

 「めざすべきところは分かってきた。ここから猛追しないと」。本番まで残り約4カ月。仕上げのペースを上げていく。

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